千歳烏山シャッフルドラム教室
【ドラムの癖について】
ドラムを演奏していると、時々ふと伸び悩むことがあります。
体のどこかが痛むことがあります。
フォームが気になることがあります。
どれも原因は演奏する際の自分の癖にあることが多いです。しかしこの癖というのが、
なかなか自分ではわからないもの。
下記項目で チェックして、より良い演奏ができるように参考にして下さい。
①左右のストロークがそろっていない
→鏡を見て、左右対称に軌道を描く練習をしましょう。
※利き腕が先行すると、必ずもう一方の手は弱くなりますので、
利き腕ではない方より ストロークを始める練習をしましょう!
②左足がうまくコントロールできない
→両手と右足の3ウェイで8ビートのパターンは大抵叩けてしまうので、左足が弱い方はとても多いです。
まず、貧乏ゆすりのようになって構わないので、慣れたリズム・パターンで左足の空踏み
(ゴーストモーション) を 入れるようにしましょう!
※ハイハット・オープンがうまくいかない人は、まずかかとをつけた状態(ヒールダウン)でオープンに挑戦。
慣れたら かかとを上げた状態(ヒールアップ)でバランスをつかみましょう。
ハイハットのオープン時の特徴を知る!
・ヒールダウン:
つま先の上下でコントロールするため、簡単にオープンの音は出しやすい。
半面、クローズ時の音がタイトになりにくい、 長時間演奏していると「すね」の筋肉が痛くなる等の
弱点がある。
・ヒールアップ:
かかとを上げたままでのコントロールとなるので、バランスがとりづらい。上げているつもりでもハイハットが
開いていないことが あるので、初めのうちは足全体で持ち上げるようにすると良い。
③バスドラのペダルをうまくコントロールできない
→ペダルの前方、真ん中、後方を踏んだ時の特徴を知る。
・前方:
コントロールはしやすいが、音量が出づらい。足全体で踏み込んでも、バスドラ本来の太い低音が出ない。
・真ん中:
バスドラの両面を共鳴させてふくよかな音が出せる。ペダルの滑車を効率的に利用できる。
・後方:
ピーターを打面にヒットした後に押しつけたままにせず、
サステインを利かせた音を出す際にコントロールしやすい。
ペダルの遠心力、振り子の動きを感じるにはまず後方でピーターを打面に弾ませるよう な練習をすると良い。
④筋肉痛になる
→肘が上がっていませんか?関節を柔らかく動かしていますか?
脇が開き過ぎていたり、肘が上がっていたりすると余計な力が入りやすいものです。
ストローク後にスティックがぶれるのを 防ぐのにも最低限の力で包むようにしましょう。
ぐっと力いっぱい握ってしまうと手にマメを創る原因にもなります。
⑤手首が痛い、しびれる。腱鞘炎になったことがある
→オープン・リム・ショットを多用していませんか?タムを叩く際に手首がV字型になっていませんか?
手首が痛むというのは、ドラマーにとってとても切実な問題です。
大音量を求められるヘビメタ系ドラマーによく見られるのが、
手首を 下げて強く打面に打ちつけてしまうストロークです。
ナチュラルショットをする軌道で、最後の段階で少し角度を変えてリムとヘッドを同時に叩くというのが
オープン・リム・ショットの正しい 叩き方です。
しかし、ミス・ショットを避けるために手首をV字型にしたままで、
上から押さえつけるように(地面に対してスティックを平行移動させて) 叩き続けると
衝撃は直に手首に来てしまいます。
ドラマー生命を長くするためにも正しい奏法を身につけましょう。
⑥上半身が安定しない
→椅子(ドラム・スローン)の座り方はどうですか?体重の移動をしていますか?
椅子の前方に少しだけお尻を乗せるようにして座ってみましょう。
両足を使う楽器なので腿の裏側が椅子に触れていない方が、演奏はしやすいです。
ペダルに乗せた足は、上下の運動になりますが、体重の移動は前後になります。
バスドラ、ハイハット共に、前にいる共演者、観客に音を届けるような イメージで踏むと
案外簡単にできるものです。
うまくいかない人は、一度立った状態で右足だけバスドラのペダルに乗せ、
その右足に全体重を乗せるようにして踏んでみましょう。とても大きい音が出るはずです。
同じ要領で、次は座って右足に体重を乗せるようにしてみてください。
上から下に落とすよりも、後ろから前へ腰を入れて体重移動する感じです。
体を横から見た時に、地面に対して垂直か前傾の姿勢になります。
特に両足を使う演奏時は、体が後方(右後ろ、左後ろも含む)に角度が開きがちなので注意しましょう。
腰も痛めかねません。
⑦手癖フレーズばかりになってしまう
→手癖になるフレーズがあるのは、安心して演奏できるフレーズを持っているという意味では良いことなのですが、
いつもそればかりでは表現力を制限してしまうことになります。
対処法は幾つか考えられます。
A.スネアからフレーズを始めるのをやめる
B.休符を多く取り込む
C.メロディをドラムで表現する方法をとる
D.ポリリズミックなフレーズを数多く練習する
E.ルーディメンタルなフレーズを創作する 等々
フォームの矯正をすると良い点:
・体への負担を軽減できる
・無駄のない軌道を確保できる
・音の粒立ちが良くなる
・ダイナミクスの表現が豊かになる
このようにフォームの矯正は良いことずくめなのですが、
人によって体というのは違うというのも事実です。
手の大きさ、腕の長さ、スナップのかけ具合、指の絡め方、ストロークの角度、...みな違います。
自分の癖が演奏に悪い影響を与えるという意識がある時に矯正をするべきですね。
一番大切なのは、本人にとって 「リラックス」した状態で演奏できている かということです。
そして 「良い音が出ているか」 です。
極端な話し、変なフォームで演奏していようと、
出てくる音が 「音楽」になっていればOK だと思います。
スティービー・ワンダーは目が見えないので、変わった叩き方をしますが、
とても音楽的で素晴らしいドラミングをします。
盲目のブルース・ギタリスト、ジェフ・ヒーリーも膝の上にギターを置いて独特の弾き方をしますが、
見事なプレイです。
ジョン・ロビンソンは綺麗なハイハットの粒立ちですが、
マッチド・グリップでも左手は寝かせるような角度で個性的な叩き方です。
このように、癖も本人がリラックスして良い音を出すことができるものであれば、
矯正する必要は全くないと思います。
矯正してみんなが、同じようなフォームで、 同じような音でプレイしているなんて気持ち悪いですよね。
人間が演奏するのだから、色々な個性があって当たり前なのです。
変な癖だけ直して、リラックスしてプレイができるようにしましょう!