千歳烏山シャッフルドラム教室
(1)自分の体がドラムに早変わり
最近は、エレクトリック・ドラムも非常に購入しやすくなりました。気軽に大音量の生ドラムを叩くことができない日本の住宅事情を考えますと、エレドラはとても素晴らしい
楽器と言えます。しかし果たしてすぐにでも買うべきでしょうか?
私の答えはNoです。もちろん経済的に余裕があり、住宅にセットを置くスペースを確保でき、多少の打音で周りに迷惑をかけないというならばすぐに購入してもいいと思います。
ただこのようなセットなどなくても、十分にドラムの練習はできることをお伝えしておきます。
練習台一つ、メトロノーム一台、スティック、この3つさえあれば大抵の練習はできてしまいます。
(2)ドラムの始めのうちの練習の多くは機械的な連続運動
ドラムは、両手両足を使う楽器です。それ故に他のどの楽器よりも運動的な要素が大きく関わってきます。先ずは、様々なバリエーションの運動を順列組み合わせで練習して
いきます。
非常にストイックな練習ですが、これが基礎固めには一番なのです。自分のやりにくい手順、手足のコンビネーションを知るということはとても大切なことです。
基礎練習1(機械的な連続運動)→基礎練習2(高さ、勢いを変化させることによって音量差をつける)
応用練習1(リズムの変化:イーブンな音符、ハネた音符、その中間)
→応用練習2(音質の確認:細かいニュアンスのチェック)
*基礎練習1,2~応用練習1までは、膝の上で十分練習できるのです。
(3)練習の種類
A.スティックの握り具合(グリッピング)、打面の弾み具合(リバウンド)、プレス・ロール系練習→練習台を使いましょう!
(REAL FEELという練習台がお勧めです。綺麗なフォームは音を安定させますので、鏡に自分の姿を映して練習することも有効です。)
B.テンポ感を鍛える練習→好きなCDをかけてメトロノーム代わりに使うのはモチベーションが落ちません。体育会系のノリでストイックな練習が好きな方は、メトロノームを8分、16分、3連符それぞれのウラで聞くようにして練習しましょう!
(好きな曲もそのまま聴くのではなく、8分で合わせたり16分で合わせたりして変化をつけましょう。)
C.手順(スティッキング)、手足を絡めたフレーズ(コンビネーション)の練習→両膝をドラムセットに見立てて練習しましょう!バスドラは床をキックします。
(パラディドル、アクセント・コントロール、フラム、ダブル・ストローク等すべて膝の上である程度両手のみで叩けるようにしましょう。足もかかとをつけたまま(ヒールダウン)、そしてかかとを上げたまま(ヒールアップ)どちらでも床の上で練習しましょう。)
(4)なぜこんな地味な練習?
両膝を手で叩いたって面白くない..ドラムをやりたいのに大きな音が出ないのはストレスがたまる...ごもっともです。
でも、もう一度考えてみてください。本当にドラムが好きならば、楽しみは後にとっておく方法を試してはみませんか?
苦労の末の成功はうれしいものです。登山の苦しみなくして登頂時の感動はあり得ないでしょう。
ストイックな練習は、心を鍛えます。そして揺るぎないタイム感を育みます。ゼロから練習のアイディアを見つけられる人は自分のフレーズ作りも楽しめます。
(5)情報過多な時代の落とし穴
たくさんの教則DVDが販売され、ネットを介してもあらゆるテクニックが無料で紹介されています。しかし欲しい情報が簡単に手に入るだけに、「知ったつもり」、
「できたつもり」になってしまうことがよくあります。
クイズやなぞなぞもすぐに答えを教えられたら面白くないのではありませんか?自分で答えを探し、どうしてもわからなかったらヒントをもらい、それでもわからなかったら
答えを聞くのではないでしょうか。
まず自分の好きな曲を聞いて、聞いて、聴きまくって覚えてしまってください。フレーズを口で言えるようにまでなったら、それを膝や床の上で表現してみましょう。なんか違うぞ?
それでいいのです。もう一度聴いてからまた膝と床を使ってください。まだ違うなぁ...いいのです。譜面があるのならば、読めなくてもいいので想像しながら曲を流して斜め読みして
ください。そしてまた真似してみましょう。
最後にYoutubeやDVD等でドラマーの動きをチェックしてみてください。
これはほんの少し前の時代には楽器を学んでる人なら誰もが行っていたやり方です。(現在のようにYoutubeやDVDといったものはなかったので、直接ライブに行って
確かめ、なるほどここはそうやっていたのかなどと長年の疑問を解き、心に焼きつけたものです。)
実は、この練習方法の最終目標は、完全コピーをすることではありません。この一見面倒臭い方法で練習することによって「音楽と向き合う能力を養う」のです。
練習の原動力となるもの(好きな曲、アーティスト)を用意して、とにかくがむしゃらにコピーに挑む、当然疑問がたくさん出てくる、それを少し先輩のドラマーや講師にヒントを
もらう、そしてまた自分で解いてみる。
初心者であれ、経験者であれ、与えられたものをそのまま練習するだけの人はなかなか伸びません。
なんでこの手順になるんだ?どうして同じ音で鳴らないんだ?ちょっとフレーズをいじったらどうなるんだ?簡単に直せないものか?....
常に「なんでそうなるの?」という疑問を持って練習に励みましょう。